日本のふるさと音めぐり

〈「日本のふるさと音めぐり」の構想を実現するために〉

2008年、当時、日本の音楽専門誌の記事も担当していた当団体創設者・太鼓唄 七海は、取材中に、日本全国の郷土芸能がどんどん消えていることを知り、全国各地の消え行く芸能を調べて記録し発信していくというプロジェクトを立ち上げました。

雑誌社、民族音楽学者、伝統音楽の演奏家らを育成する団体のバックアップを得て、各分野の和楽器演奏家らが加わることで専門的な奏法の記録をとり、デザイナー、ウェブクリエイターらが関わることで、一般の方々に魅力的な発信を試み、野菜ジャーナリスト、イラストレーターを通して、郷土料理もあわせて記録していく構想がありました。実際に記録して行く写真家らも集めてプロジェクトチームを作り、「日本のふるさと音めぐり」実行委員会を結成。

発信するためのサンプル誌面なども出来上がり、スケジュールも決まり、実際の調査をスタートするため、代表的な全国の祭りや行事に取材に入り始めました。

しかし、このプロジェクトの最終目的「郷土芸能を受け継ぐ」ための方法について中心メンバーが話し合った結果、導きだされたのは「ふるさとに帰ろう」という答えでした。しかし、メンバー達自身が、いまの仕事を自分の故郷で出来るのか?神奈川、新潟、長野、兵庫、さまざまな地域から上京してそれぞれの道を切り拓いていたメンバーたち全員がその場で決断することが出来ませんでした。

そんななか、プロジェクトリーダーだった太鼓唄 七海が一人、自らの故郷に帰ります。地方で何が起きているのか、なぜ郷土芸能が廃絶していくのか、そこに住み、地域の一員とならなければ分からないことがあると、音楽をやっていくなら都会へという当時の常識に逆行し、太鼓2個、自転車1台だけを持って業界の人脈もまったくないところからスタートしたのでした。

みずから田んぼの中を歩き回って継承者をさがし歩き、その継承者となり、地域行事に参加を続けますが、地方で音楽活動を続けている演奏家の少なさにより音楽家としては孤立し続けます。
そんななかで、郷土芸能が消えている背後には、農業や漁業の担い手不足や高齢化があり、機械化によるコミュニティの変化が起きていることを知ります。また、一極集中型の社会が、地方の高齢化をすすめ、世代の断絶、自然破壊をも引き起こしていることを知ります。

それに気付いた太鼓唄 七海は、地域の若者たちが継承して行く仕組みを芸能制作を通して実験的に生みだしました。
それが「三木武陣太鼓」です。
また、郷土芸能がかつて持っていた世代間交流を蘇らせるために「さとおと太鼓教室」をひらき、地域の人々の集まる憩いの場所を設けます。
また、音楽や作品、舞台づくり、調査活動を通して地域のリーダーとなる人材を育てました。
指導者としては、保育園、小学校、高校、大学、社会人、高齢者、在日外国人といった全世代、さまざまな環境にある人々と和太鼓を通して繫がることを目指し、その活動は拠点である神戸市だけでなく、徐々に関西全域に広がります。

自らの人脈を活かし、各地から演奏家や指導者、作曲家を迎え、リーダー達に音楽家としても専門的な技術を学ぶ場を設け、本格的な舞台が上演できるまでに育成。

2019年、そこで育ったメンバーが、ふるさとの伝説や文化を伝える芸能団体として、地域に根付いた活動を行うべく「郷音舎」として旗揚げし、ホール公演を主催。また2020年、近隣の県立高校につづいて大学内に「三木武陣太鼓俱楽部」、稽古場内には地域と海外と繫がっていく活動「武陣太鼓」が旗揚げします。
そして、太鼓唄 七海は、それを日本や世界に広めて行く音楽活動を、また、郷土芸能を写真、動画、録音などで記録していく技術集団でもある音楽グループ「VONBON JAPAN」、全体で相乗効果を出し、目標を達成するべく足並みを揃えて進んでいます。

郷音舎(2020)
代表 足立七海
打頭 下地孝幸
事務局 石井香奈子
武陣太鼓総打頭 勝野奈緒美(武陣太鼓)
踊り継承 加納真芸子
三木武陣太鼓(県立三木高等学校内)代表 福田達郎
三木武陣太鼓俱楽部(関西国際大学内)代表 笹野唯
さとおと太鼓研究会 代表 山下耕平/八木明子

●協力団体(兵庫県内)
環境教育事務所リノワークス(環境・農業)
三木甲冑俱楽部(地域団体)
・三木吉川音頭保存会

●「日本のふるさと音めぐり実行委員会」(2008年)
実行委員長 足立七海
太鼓専門家 山本麻琴(和太鼓・御諏訪太鼓伝承者)
三味線専門家 月岡祐紀子(三味線・瞽女唄研究者)
笛専門家 あかる潤(笛演奏家)
ウェブデザイン 久能木一成(デザイナー)
誌面デザイン 臼井崇(デザイナー)
撮影 平松俊之
ウェブ構築 平松貴之

郷土料理研究 篠原久仁子(野菜ジャーナリスト)
イラスト 川口澄子(水登舎)
翻訳 ヒダキトモコ(カメラマン)
楽曲提供 木津茂理(民謡歌手)

監修・指導
日本民族音楽学会会長/国立歴史博物館名誉教授 小島美子
財団法人日本伝統文化振興財団理事長 藤本草
日本の音楽専門誌「邦楽ジャーナル」編集長 田中隆文(織田麻有佐)

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